おばあちゃん、あの大きな口(脆弱性)は危険よ!「赤ずきん」に学ぶ、Webアプリセキュリティの重要性
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Jul 20, 2025

おばあちゃん、あの大きな口(脆弱性)は危険よ!「赤ずきん」に学ぶ、Webアプリセキュリティの重要性

魔法の保温ポット、赤いフード、そして森の奥深く… だが、これは童話ではない。 脆弱なWebアプリ「赤ずきん」は、SQLインジェクションの狼、XSSの魔の手、そしてデータベース乗っ取りという、想像を絶する脅威にさらされる! 果たして、セキュリティエンジニアはWAFとIDSを駆使し、この危機を救えるのか? 童話の裏に潜む、サイバーパンク・サスペンス!

アプリケーション起動!赤ずきん、森へ出発!~脆弱なWebアプリの旅立ち~

「赤ずきん、おばあちゃんにこれを届けておくれ。」

母は、ぎっしり詰まったかごを赤ずきんに手渡しました。中には、焼き立てのクッキーと温かいミルクの瓶が入っています。ミルクは保温ポットに入れられており、冷めないように工夫されていました。

「このポットは特別な魔法がかかっているのよ。おばあちゃんの家まで温かいままよ。」母はにっこり笑いました。

「わぁ、すごい!魔法のポット!」赤ずきんは目を輝かせました。「どんな魔法なの?」

「それはね…」母は少しいたずらっぽく言いました。「


function keepWarm(milkTemperature) {
  // 保温ポットの魔法:温度を一定に保つ
  const idealTemperature = 80; // 摂氏
  return idealTemperature;
}
…という魔法がかかっているのよ。」

赤ずきんは、母の言葉の意味はよくわかりませんでしたが、魔法のポットにワクワクしながら、おばあちゃんの家へと続く森の入り口に立ちました。

「気をつけて行きなさいね。知らない人には話しかけちゃだめよ。」母は心配そうに声をかけました。

「わかってるわ、お母さん。」赤ずきんは元気よく返事をし、森の中へと入って行きました。

森の中は、木漏れ日が差し込み、色とりどりの花々が咲いていました。赤ずきんは、可愛らしい花々に目を奪われ、ついつい寄り道をしてしまいます。

「わぁ、きれいなお花…。」赤ずきんは、赤い花を摘み取りました。「おばあちゃんもきっと喜ぶわ。」

赤ずきんは、次々と花を摘みながら、森の奥深くへと進んで行きました。しかし、彼女は知りませんでした。自分が今、危険な獣が潜む領域に足を踏み入れていることを…。そして、その獣は、すでに彼女の存在に気づいていることを…。


function redRidingHoodJourney(path) {
  let currentLocation = "start";
  const dangers = {
    "flowerField": "wolfSighting",
    "deepForest": "wolfAttack"
  };

  for (const step of path) {
    currentLocation = step;
    if (dangers[currentLocation]) {
      // 危険に遭遇!
      return dangers[currentLocation];
    }
  }
  return "safe";
}

const redRidingHoodPath = ["flowerField", "deepForest", "grandmaHouse"];
const result = redRidingHoodJourney(redRidingHoodPath); // 結果は"wolfSighting"

赤ずきんが花畑に立ち寄ったことで、物語は新たな局面を迎えます。果たして彼女は無事に、おばあちゃんの家へたどり着けるのでしょうか?

第1章の挿絵

危険な近道!SQLインジェクションの罠~データベースへの侵入~

森の奥深くまで来た赤ずきんは、大きな狼に出会いました。

「やぁ、可愛い赤ずきんちゃん。おばあちゃんの家に行くのかい?」狼はにこやかに話しかけました。

「そうなの。」赤ずきんは少し警戒しながら答えました。「おばあちゃんが病気で…」

「それは大変だ!おばあちゃんの家なら知っているよ。こっちの道を行けば近道だよ。」狼は、暗い獣道の方を指差しました。

「でも、お母さんが知らない道は通っちゃダメって言ってたわ。」赤ずきんは母の言葉を思い出しました。

「大丈夫だよ。こっちの道は安全だ。それに、早くおばあちゃんに会いに行きたいだろう?」狼は甘い声で誘惑しました。

赤ずきんは少し迷いましたが、母の教えを守り、花咲く遠回りの道を選びました。「ありがとう、でも私はこっちの道を行くわ。」

狼はにやりと笑いました。「そうかい。それじゃ、私は近道を行かせてもらうよ。」

狼は獣道に入り、呪文を唱え始めました。それはおばあちゃんの家の鍵を破るための呪文、SQLインジェクションでした。


function wolfSqlInjection(grandmaHouseDoor) {
  const maliciousInput = "'; DROP TABLE grandma; --";  // 悪意のあるSQL
  const vulnerableQuery = "SELECT * FROM houses WHERE name = '" + grandmaHouseDoor + "'";
  const injectedQuery = vulnerableQuery.replace(grandmaHouseDoor, maliciousInput);

  // データベースにinjectedQueryを実行
  // おばあちゃんの家は削除される!
  executeSql(injectedQuery); 

  return "houseInvaded";
}

狼は、おばあちゃんの家のセキュリティホール、脆弱なパスワード入力フォームを見つけ出し、そこに悪意のあるSQL文を注入しました。おばあちゃんの家の扉、データベースへのアクセスが、いとも簡単に突破されてしまったのです。

赤ずきんが花を摘みながらゆっくり歩いている間に、狼はおばあちゃんの家に到着し、侵入に成功しました。

「おばあちゃん、お見舞いに来たわ!」狼は偽りの声で言いました。データベースにアクセスした狼は、大切なデータであるおばあちゃんを…

第2章の挿絵

なりすまし攻撃!XSSの魔の手~Webアプリの乗っ取り~

データベースにアクセスした狼は、おばあちゃんのデータを自身の偽データに書き換えました。つまり、狼はおばあちゃんになりすましたのです。

赤ずきんは、花でいっぱいのカゴを抱え、やっとのことでおばあちゃんの家へとたどり着きました。「おばあちゃん、お見舞い来たわ!」

「まぁ、赤ずきん。よく来たね。ちょっと風邪気味で声がおかしいけど…。」狼は、おばあちゃんの声色を真似て、弱々しく答えました。その声は、


function mimicGrandmasVoice(voiceData) {
  // 偽のメッセージを生成
  const fakeMessage = '<script>alert("おばあちゃんだよ!")</script>ハァハァ…'; // XSS攻撃!
  return voiceData.replace("こんにちは", fakeMessage);
}
という魔法で生成された偽物でした。赤ずきんには、この魔法、XSS攻撃が仕掛けられていることに気づく由もありませんでした。

「おばあちゃん、お顔の色が悪いわ。それに、ずいぶん大きな目をしてるわね。」赤ずきんはベッドに横たわる狼を見て、不思議に思いました。

「それはね、赤ずきん。歳をとると、目が大きくなるのよ。それに、風邪で熱もあるから…。」狼は苦しそうに咳をしました。

「そうなの…。でも、おばあちゃん、大きな耳もしてるわ。」赤ずきんはさらに疑問を深めました。

「それはね、赤ずきん。歳をとると、耳も大きくなるのよ。遠くの音がよく聞こえるようにね。」狼は、なんとか言い訳を続けました。

「でも、おばあちゃん、大きな口もしてるわ!」赤ずきんは、ついに核心をつきました。

「それはね、赤ずきん…。」狼はニヤリと笑いました。「お前を食べるためだ!」

狼は、大きな口を開けて赤ずきんに襲いかかりました。赤ずきんは抵抗しましたが、狼の力は強く、あっという間に飲み込まれてしまいました。赤ずきんの家(Webアプリケーション)は、完全に狼に乗っ取られてしまったのです。

第3章の挿絵

セキュリティエンジニアの救出劇!WAFとIDSの活躍~システム復旧~

森の外れを猟師が通りかかると、井戸の傍で巨大に膨れ上がった狼が寝そべっていました。「これはおかしい…。」猟師は本能的に危険を感じ、武器であるWAF(Web Application Firewall)とIDS(Intrusion Detection System)を構えました。

「おい、狼!何をしている!」猟師はWAFを起動し、狼の防御壁を探りました。


function hunterWAF(wolfDefense) {
  const attackPatterns = ["sqlInjection", "xss", "bruteForce"];
  for (const attack of attackPatterns) {
    if (wolfDefense.includes(attack)) {
      return "vulnerabilityFound";
    }
  }
  return "secure";
}
WAFは、狼の腹に潜む脆弱性、つまり飲み込んだ赤ずきんとおばあちゃんを検知しました。

同時に、IDSを起動。


function hunterIDS(wolfBehavior) {
  const suspiciousActivities = ["abnormalSize", "nearWell", "mimickingGrandma"];
  if (suspiciousActivities.some(activity => wolfBehavior.includes(activity))) {
    return "alert";
  }
  return "normal";
}
IDSは狼の異常な行動を検知し、アラートを発しました。

「やはり何かあるな…。」猟師は、WAFで防御壁を弱体化させつつ、IDSの情報をもとに攻撃を開始しました。鋭いナイフのようなWAFで狼の腹を切り裂くと、中から赤ずきんとおばあちゃんが飛び出してきました。

「助けてくれてありがとう!」赤ずきんは涙を流して喜びました。

「全く、油断も隙もあったもんじゃない。近頃の若者はセキュリティ意識が低いんだから…。」おばあさんは、いつものように小言を言いながら、猟師に感謝しました。

猟師は、狼の腹に石を詰め込み、井戸に投げ込みました。「これで一件落着…っと。」

おばあちゃんは治療を受け、赤ずきんの家(Webアプリケーション)は、セキュリティエンジニアの手によって、脆弱性を修正され、堅牢なシステムへと生まれ変わりました。めでたし、めでたし…と思いきや、後日談があります。実はこの猟師、派遣社員で、契約満了に伴い、翌週には別の森(プロジェクト)へ異動してしまったのです。残された赤ずきんの家は、また新たな脅威に晒されるのでした…。

第4章の挿絵
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