母さん、このコード重すぎます!「うばすて山」に学ぶ、レガシーシステムからの脱出戦略
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Aug 9, 2025

母さん、このコード重すぎます!「うばすて山」に学ぶ、レガシーシステムからの脱出戦略

老いた母を背負い、レガシーコードの山を登る男。息も絶え絶え、彼は呟く。「このコード、誰が書いた?」 母の言葉は、過去の栄光と、今に残る巨大な技術的負債を告げる。捨てられた「小枝」=ドキュメント、テストケース…それは、未来への道標だったのか? 彼は、母の知恵、そして床下での苦闘を経て、隣国の危機をも救う。だが、それは始まりに過ぎない。掟を覆し、新たな時代へ挑む男の、壮絶な戦いが今、幕を開ける!

姥捨山への道のり〜レガシーコードの深淵〜

険しい山道を、男は老いた母を背負い、一歩一歩と登っていた。母の重みは、まるで巨大なレガシーシステムのようだ。男は、コードの保守作業の苦しさに息を切らしながら、呟いた。


function ubasuteyama_climb(mother_code) {
  let burden = calculate_technical_debt(mother_code);
  let stamina = getCurrentDeveloperStamina();

  if (stamina < burden) {
    throw new Error("開発者の体力が持ちません!");
  }

  // 険しい山道を登る処理...
  return "一歩一歩、姥捨山へと…";
}

「母上、重いです…このコード、一体誰が書いたのですか?」

母は、かすれた声で答えた。「遠い昔、山の麓の村で…優秀なエンジニアが書いたのよ。当時は画期的な設計だったのだけど…」

すると、母の背負われていた籠から、小さな小枝が落ちた。それは、コードの修正履歴が記録されたドキュメントだった。

「あら、大事な小枝が…拾ってちょうだい。」

男は小枝を拾い上げたが、古びて読みにくく、価値がないように思えた。「こんな古いドキュメント、役に立ちませんよ。」 そう言って、男は小枝を道端に捨ててしまった。

少し進むと、また小枝が落ちた。今度は、過去のテストケースだった。


function test_legacy_function(input) {
  // 当時のテストケース…
  if (input == "特定の値") {
    return "期待する結果";
  } else {
    return "予期しない結果";
  }
}

「また小枝が…これもテストケースですか? もう使われていないのでしょう?」

母は少し寂しそうに言った。「そうね…でも、これらのテストケースは、かつてシステムがどのように動いていたかを教えてくれる貴重な手がかりなのよ。」

男は、母の言葉に耳を貸さず、再び小枝を捨ててしまった。彼は、目の前の険しい道のりと、重たい母の負担に気を取られ、小枝の真の価値に気づくことができなかった。こうして、男は貴重な情報を失いながら、姥捨山へと一歩一歩近づいていくのだった。

第1章の挿絵

床下隠しの苦闘〜リファクタリングの開始〜

男は、母の深い愛情に心を打たれ、掟に背き、母を家に連れ帰った。しかし、家は狭く、母は仕方なく床下に隠れることになった。

「母上、申し訳ありません…こんな狭い場所に…」

母は、優しい声で答えた。「大丈夫よ、息子よ。あなたと一緒にいられるだけで幸せだわ。」

男は、暗くて狭い床下で、母の助けを借りながら、少しずつコードの整理(リファクタリング)を始めることにした。目の前には、巨大なレガシーシステムのコードが広がっていた。


function refactor_ubasuteyama_system(mother_wisdom) {
  let legacy_code = getLegacySystemCode();
  let suggestions = mother_wisdom.getRefactoringSuggestions(legacy_code);

  for (let suggestion of suggestions) {
    legacy_code = applyRefactoring(legacy_code, suggestion);
    // リファクタリング適用後のテスト...
    if (!test_refactored_code(legacy_code)) {
        return "母上、リファクタリングがうまくいきません!";
    }
  }

  return "少しづつ、コードが綺麗になっていく…";
}

「母上、この`ubasuteyama_climb`関数、複雑すぎます。分割できませんか?」

母は、過去の設計思想を思い出しながら言った。「そうね…当時は、山の登り方を一つの関数で表現するのが良いと考えられていたの。でも、今は`体力計算`と`登山処理`を分けて考えても良いかもしれないわね。」

男は、母の助言に従い、関数を分割することにした。最初は戸惑いながらも、母の知恵を頼りに、少しずつコードを改善していく。すると、以前は理解不能だったコードが、徐々に読みやすくなっていった。

「母上、この`calculate_technical_debt`関数、計算方法が古すぎます!最新のメトリクスを使うべきです。」

母は、少し寂しそうに言った。「そうね…でも、この計算方法は、当時の状況を反映したものなのよ。変更する際は、その影響を慎重に検討する必要があるわ。」

男は、母の言葉に耳を傾け、慎重にコードを修正していった。彼は、母の存在が、どれほど心強く、そして貴重なものかを実感し始めていた。床下隠しの生活は苦しかったが、母と協力してレガシーコードと向き合うことで、男は開発者としての自信を取り戻していくのだった。

第2章の挿絵

隣国の難問〜パフォーマンス向上への挑戦〜

ある日、隣国から使者が訪れた。隣国のシステムは、姥捨山システムと同じく古く、パフォーマンスの低下と新機能追加の困難さに悩まされていた。殿様は、この難題を解決できる者を募ったが、誰も名乗り出なかった。

「誰か、隣国を救える者はいないのか!」殿様の焦燥は募るばかりだった。

男は、床下に隠れる母に相談することを決意した。「母上、隣国で困っている人たちがいるのです。私に知恵を貸してください。」

母は静かに頷いた。「そう…隣国のシステムも、きっと多くの歴史を背負っているのでしょう。まずは、その歴史を紐解くことが大切です。」

男は、隣国から持ち込まれたコードを受け取った。それは、巨大で複雑なコードだった。


function solve_neighbor_problem(mother_wisdom, neighbor_code) {
  let performance_bottlenecks = mother_wisdom.findBottlenecks(neighbor_code);

  for (let bottleneck of performance_bottlenecks) {
    if (bottleneck.type === "redundant_code") {
      neighbor_code = removeRedundantCode(neighbor_code, bottleneck.location);
    } else if (bottleneck.type === "inefficient_algorithm") {
      neighbor_code = optimizeAlgorithm(neighbor_code, bottleneck.location);
    }
    // パフォーマンス改善確認…
  }

  return "少しづつ、システムが軽くなっていく…";
}

「母上、この`process_ancient_data`関数、何度も同じ処理を繰り返しています。無駄な処理を削除できませんか?」

母は、過去の経験から助言を与えた。「そうね…重複した処理は、システムの負担を増大させるわ。共通化できる部分はまとめて、一つの関数にするのが良いでしょう。」

男は、母の助言に従い、重複コードを削除し、関数を整理した。すると、システムのパフォーマンスは劇的に向上した。

「母上、この`ancient_sorting_algorithm`関数、処理速度が遅すぎます!もっと効率的なアルゴリズムに変更すべきです。」

母は、技術の進歩を認めつつも、慎重な対応を促した。「そうね…アルゴリズムの変更は、システム全体に影響を与える可能性があるわ。変更する際は、十分なテストを行う必要があるわね。」

男は、母の言葉に従い、新しいアルゴリズムを導入し、徹底的にテストを行った。その結果、システムは以前よりも高速に動作するようになった。隣国の使者は、男の働きに感嘆し、感謝を述べた。

「あなたのおかげで、私たちの国は救われました!本当にありがとうございます!」

男は、母の知恵と愛情によって、再び難題を解決することができた。彼は、技術の進歩と過去の知恵の融合こそが、未来を切り開く鍵であることを確信したのだった。

第3章の挿絵

掟の廃止と新たな時代へ〜技術的負債からの解放〜

隣国の使者を見送った後、男は意を決して殿様の元へ参上した。母を床下に匿っていること、そして、母の知恵を借りて隣国を救ったことを包み隠さず語った。

「殿様、私は掟を破り、母を床下に隠しました。しかし、母は足手まといどころか、私を助け、国を救ってくれたのです。」

殿様は静かに男の話を聞いていた。男は続けた。「母は、かつて優秀なエンジニアでした。彼女の知恵は、現代の技術にも通じるものがあります。」

男は、リファクタリングしたコードを示しながら説明した。


function show_refactored_code(old_code, new_code) {
  console.log("以前のコード:", old_code);
  console.log("リファクタリング後のコード:", new_code);

  // 改善点の説明...
  return "コードが劇的に改善されました!";
}

「この`ubasuteyama_climb`関数は、`calculate_stamina`と`climb_mountain`に分割され、可読性が向上しました。また、`calculate_technical_debt`関数は最新のメトリクスを使用するように変更し、精度の高い評価が可能になりました。」

さらに、隣国のシステムを改善したコードも見せた。


function show_neighbor_system_improvement(before, after) {
    console.log("改善前:", before);
    console.log("改善後:", after);
    // ベンチマーク結果の表示...
    return "隣国のシステムも救われました!";
}

「`process_ancient_data`関数の重複処理を削除し、`ancient_sorting_algorithm`関数をより効率的なアルゴリズムに置き換えました。その結果、システムのパフォーマンスは大幅に向上しました。」

殿様は、男の熱弁と、示されたコードの改善に深く感銘を受けた。そして、長年続いてきた姥捨山の掟について、考えを改める時が来たことを悟った。

「そなたの行い、そして母の知恵に深く感銘を受けた。姥捨山の掟は、今日限りで廃止する!これからは、老人を敬い、彼らの知恵を国の発展に役立てるのだ!」

男は、安堵の涙を流しながら、床下にいる母に報告した。「母上、掟は廃止されました!もう隠れる必要はありません!」

母は、優しい笑みを浮かべながら言った。「よかったわね、息子よ。でも、床下は意外と居心地が良かったのよ?静かで集中できたし…たまには、また床下でコードを書きたいわね。」 男は、母の冗談に苦笑しながら、新しい時代の到来を喜んだ。こうして、国は、過去の知恵と新しい技術を融合させ、明るい未来へと歩み始めたのだった。めでたし、めでたし。(…?)

第4章の挿絵
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