塩を少しだけ!「浦島太郎」に学ぶ、ユーザーフレンドリーなUIデザインの重要性
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Aug 8, 2025

塩を少しだけ!「浦島太郎」に学ぶ、ユーザーフレンドリーなUIデザインの重要性

欲張るな。さもなくば、沈む。老人の不思議な石臼、欲しいだけ塩が作れる魔法のUI。弟は賢く使い、繁盛店を築いた。だが、兄の無限スクロール地獄が始まる。止まらぬ塩の洪水、沈む船、そして…海底の塩漬けUI! 兄の悲劇は、完璧なUXデザインと、その裏にある恐ろしい落とし穴を暴く! これは、奇跡と呪いの物語。

老人の贈り物と、賢い塩のUIデザイン

森の奥深くで質素に暮らす正直者の弟は、ある日、道に迷った不思議な老人に出会いました。「困っているようじゃの。これはお礼に。」老人は弟に、小さな石臼を手渡しました。「回せば何でも出てくる不思議な石臼じゃ。ただし、欲張ってはいけませんぞ。」

「何でも…ですか?」弟は戸惑いながらも、老人に礼を言って家に帰りました。半信半疑で石臼を回してみると、空っぽのまま。「ひょっとして…。」弟は「塩、少しだけ」と念じながらゆっくり回すと、サラサラと白い粉が出てきました。舐めてみると、塩でした。ちょうど良い量の塩。

弟は早速、塩を市場で売りました。石臼のおかげで、生活に困らない程度の富を得ることができました。しかし弟は欲張らず、必要な分だけ塩を作り続けました。彼は、石臼の不思議な力を使い、顧客のニーズに合わせた適切な量の塩を提供することで、評判を上げ、信頼を得ていきました。「あそこの塩屋は、欲しい分だけ買えるから便利だね」と評判になりました。

「お客さん、今日はどれくらい必要だい?」弟は、にこやかに客に尋ねます。「今日はスープを作るから、小さじ一杯だけ欲しいんだ。」客が答えると、弟は「塩、小さじ一杯」と念じながら石臼を回します。正確な量の塩が出てきました。


function getSalt_HonestBrother(amount) {
  console.log("石臼を", amount, "回します");
  return getDesiredAmountOfSalt(amount);
}

let customerRequest = "小さじ一杯";
let salt = getSalt_HonestBrother(customerRequest);
console.log(salt, "の塩が手に入りました!");

弟は、石臼のUIデザインが実に賢いことに気づきました。欲しい分だけ手に入る、まさにユーザーフレンドリーなインターフェースです。彼は、この魔法の石臼を大切にし、人々の役に立てることに喜びを感じていました。一方、欲張りな兄は、弟の成功を妬み、石臼を盗もうと企んでいました…。

第1章の挿絵

欲張りな兄の無限スクロール地獄

弟の成功を聞いた欲張りな兄は、嫉妬に狂い、弟が留守の間に石臼を盗み出しました。「これで私も大金持ちだ!」兄は、盗んだ石臼を大きな船に持ち込み、一人ほくそ笑みました。

「弟は『塩、少しだけ』と言っていたな…」兄は、石臼の使い方を弟から詳しく聞いていなかったことを思い出しました。「まあ、少し多めに回せばいいだろう!」兄は、石臼を勢いよく回し始めました。

ザラザラ…最初は少量の塩が出てきて、兄は喜びました。「もっと、もっと!」兄は、石臼をさらに速く回しました。

ゴゴゴゴ…石臼から、滝のように塩が流れ出しました。船の中はあっという間に塩で埋め尽くされていきます。「わ、わわ…止めろ!」兄は叫びましたが、石臼は止まりません。


function getSalt_GreedyBrother(rotationSpeed) {
  console.log("石臼を猛スピードで", rotationSpeed, "で回します!");
  let saltAmount = 0;
  while (true) { // 無限ループ!
    saltAmount += generateSalt(rotationSpeed);
    console.log(saltAmount, "の塩!");
    if (saltAmount > shipCapacity) {
      console.error("船が沈みます!");
      break; // 沈没したらループ終了…
    }
  }
  return saltAmount; // ここは到達しない…
}

let franticRotation = "超高速";
getSalt_GreedyBrother(franticRotation); // 無限に塩が生成される!

「兄貴、何をやってるんだ!」駆けつけた弟が叫びました。「石臼は、そんな風に使うものじゃない!」

しかし、時すでに遅し。塩で満杯になった船は、海の底へと沈んでいきました。兄は、無限に生成される塩の海に沈みながら、自分の愚かさを呪いました。弟は、沈みゆく兄の姿を見ながら、静かに石臼の使い方を説明する機会を失ったことを悔やみました。「兄貴…欲張っちゃダメだって言ったのに…」

第2章の挿絵

止まらない塩!沈むUX!

船は塩の重みで大きく傾き始め、甲板は白い結晶で埋め尽くされていった。「や、やめろぉ!」兄は、石臼にしがみつき、回転を止めようともがいたが、勢いよく回り続ける石臼はびくともしない。「くそっ、なんで止まらねぇんだ!」

「兄貴!落ち着いて!『塩、止まれ!』って念じなきゃ!」弟が船べりから叫んだ。慌てて駆けつけた弟は、沈みゆく船を見て青ざめていた。

「そんなこと言ったって…覚えてねぇ!」兄は、パニック状態のまま叫んだ。「塩、出ろ!いや、出るな!どっちだ!」


function operateMillstone_GreedyBrother(command) {
  if (command === "塩、止まれ!") {
    console.log("石臼が止まりました");
    stopMillstone(); 
  } else {
    console.log("不明なコマンド:", command);
    generateSalt("超高速"); // デフォルトは塩生成し続ける!
  }
}

let panickedCommand = "塩、出ろ!いや、出るな!どっちだ!";
operateMillstone_GreedyBrother(panickedCommand); // 塩は止まらない…

「兄貴…コマンドが間違ってる…!」弟は、もはや絶望していた。石臼は容赦なく塩を生成し続け、船はみるみる沈んでいく。白い塩の渦の中に、兄の姿が飲み込まれていく。「ご、ごめんな…弟よ…」兄の声は、塩の波に掻き消された。

「兄貴ぃ!」弟は、沈みゆく兄の姿を悲痛な思いで見つめていた。大量の塩が船を完全に飲み込み、海面には白い波紋が広がった。弟は、兄の最期の言葉と、石臼の使い方をきちんと教えなかった自分の責任を痛感し、深く後悔した。「シンプルなUIなのに…兄貴は、なぜ…」

第3章の挿絵

海底の塩漬けUIと、弟の成功

海底深く、沈んだ船の残骸から、白い煙がもうもうと立ち上っていました。盗まれた石臼は、今もなお塩を吐き出し続けています。海水は日に日にしょっぱくなり、近隣の漁師たちは首をかしげていました。「最近、魚が捕れねえんだ。海がしょっぱすぎるみてえだ。」

「兄貴ったら…。」海底で塩漬けUIと化した石臼を尻目に、弟は地上で商売繁盛。「お客さん、今日はお祭りですか?たくさん必要ですね!」弟は、慣れた手つきで石臼を回します。「塩、大さじ3杯!」


function getSalt_HonestBrother_v2(amount, useCase) {
  console.log(useCase, "なので、", amount, "の塩を用意します。");
  return getDesiredAmountOfSalt(amount);
}

let customerRequest = "大さじ3杯";
let useCase = "お祭り";
let salt = getSalt_HonestBrother_v2(customerRequest, useCase);
console.log(salt, "の塩が手に入りました!");

弟の店は、塩の量り売りだけでなく、用途に合わせたブレンド塩なども販売するようになり、大繁盛。「弟さんの塩は、味が違うね」「料理が美味しくなるよ」と評判は広まり、今では王様も弟の塩を愛用するほどでした。

「王様、今日はどんなお料理にお使いになりますか?」弟は、王宮の厨房で尋ねます。「今日は特別なスープじゃ。最高の塩を頼むぞ。」「かしこまりました。特別なスープ用の塩、少々。」弟は、特別な呪文を唱えながら石臼を回します。王様の顔には笑みが浮かびました。「さすがは弟じゃ。UI/UXを完璧に理解しておる!」

一方、海の底では、兄の幽霊がぼやいていました。「API仕様書も読まずにプロダクトを触るから…。」泡とともに消えていく兄の幽霊。現代のエンジニアなら、きっと共感してくれるでしょう。石臼は今日も回り続け、海はしょっぱくなる一方です。めでたし、めでたし?

第4章の挿絵
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