抜けるまで諦めるな！「アーサー王物語」に学ぶ、マイクロサービス設計の極意

エクスカリバー起動！～シングルコードからの脱却～

轟音と共に、アーサー王は岩に突き刺さったエクスカリバーを軽々と引き抜いた。王国中が歓喜に沸き返る。

「ついに、この時が来た！」アーサー王は高らかに宣言した。「もはや、旧体制の巨大な一枚岩のシステムでは、民の要望に応えきれん！ 各々が得意とする技術で、小さく、素早く動くサービスを構築するのだ！」

円卓の騎士たちが集結した。ランスロット卿は剣術、マーリンは魔法、ガウェイン卿は馬術、と各々が得意とする分野を持つ。

「ランスロット卿、貴公はユーザー認証を。マーリン、君はデータ分析を。ガウェイン卿、君は決済処理を頼む。」アーサー王は指示を出す。「各々のサービスは独立して動くが、APIゲートウェイを通して連携するのだ。」

function extractExcalibur(arthur) {
  if (arthur.isKing()) {
    return "エクスカリバー起動！";
  } else {
    return "抜けない…";
  }
}

function callLancelot(request) {
  // 認証処理
  return "認証完了！";
}

function callMerlin(data) {
  // データ分析処理
  return "分析結果：王国は繁栄に向かっています！";
}

function callGawain(payment) {
  // 決済処理
  return "決済完了！";
}

function apiGateway(service, request) {
  switch (service) {
    case "Lancelot":
      return callLancelot(request);
    case "Merlin":
      return callMerlin(request);
    case "Gawain":
      return callGawain(request);
    default:
      return "サービスが見つかりません";
  }
}

// 各騎士（マイクロサービス）へのリクエストをAPIゲートウェイが処理
let authResult = apiGateway("Lancelot", "アーサー王");
let analysisResult = apiGateway("Merlin", "王国のデータ");
let paymentResult = apiGateway("Gawain", "税金の支払い");

console.log(authResult); // 認証完了！
console.log(analysisResult); // 分析結果：王国は繁栄に向かっています！
console.log(paymentResult); // 決済完了！

「各騎士は、それぞれのサービスを開発し、APIゲートウェイに登録するのだ。私が、全てのサービスを統括し、王国のシステムを円滑に稼働させる！」

アーサー王の言葉に、騎士たちは力強く頷いた。こうして、ブリテンの新たな時代、マイクロサービスアーキテクチャによる王国の発展が始まった。

円卓会議！～マイクロサービスの連携とスケーラビリティ～

円卓の騎士たちが集結した。アーサー王は、聖杯探索という一大プロジェクトの開始を宣言した。「聖杯探索は、王国の未来を左右する一大事業だ。各々が持つ力を結集し、必ずや成功させねばならん！」

「ランスロット卿、貴公の部隊は探索の先鋒を。マーリン、聖杯の位置を占星術で特定せよ。ガウェイン卿、探索隊の物資調達を頼む。」

async function searchHolyGrail(knights) {
  const lancelotPosition = await getLancelotPosition();
  const merlinPrediction = await getMerlinPrediction();
  const gawainSupplies = await getGawainSupplies();

  return processData(lancelotPosition, merlinPrediction, gawainSupplies);
}

function getLancelotPosition() {
  // ランスロット卿の部隊の位置情報を取得 (非同期処理を想定)
  return new Promise(resolve => {
    setTimeout(() => resolve("北緯30度、東経135度"), 1000);
  });
}

function getMerlinPrediction() {
  // マーリンの占星術による予測を取得 (非同期処理を想定)
  return new Promise(resolve => {
    setTimeout(() => resolve("聖杯は山の上にある"), 500);
  });
}

function getGawainSupplies() {
  // ガウェイン卿による物資調達状況を取得 (非同期処理を想定)
  return new Promise(resolve => {
    setTimeout(() => resolve("食料、水、テントの準備完了"), 1500);
  });
}

function processData(position, prediction, supplies) {
  return `ランスロット卿の位置: ${position}\nマーリンの予測: ${prediction}\nガウェイン卿の報告: ${supplies}`;
}

searchHolyGrail().then(result => console.log(result));

「ランスロット卿の活躍が目覚ましいな。」アーサー王は、感嘆の声を上げた。「彼の部隊は、他の追随を許さぬ速さで聖杯に近づいている。」ランスロットは、高いパフォーマンスを誇るサービスのように、次々と成果を上げていた。

しかし、ギネヴィアはランスロットの活躍を複雑な思いで見つめていた。二人の間には、誰にも言えぬ秘密の通信（密結合）が始まっていたのだ。「ランスロット…あなたと私は…。」ギネヴィアは、不安げにつぶやいた。

円卓の会議では、各騎士がそれぞれの進捗状況を報告し、問題点を共有した。APIゲートウェイのように、アーサー王は各サービス間の連携を調整し、システム全体の安定性を維持していた。

領土拡大に伴い、新たな騎士が円卓に加わった。システムの拡張にも、マイクロサービスアーキテクチャは柔軟に対応できた。しかし、ランスロットとギネヴィアの密結合は、将来、王国のシステムに大きな障害をもたらす危険性を孕んでいた。

ランスロット卿のエラー！～密結合と依存性の弊害～

「ランスロット…あなたと私は…。」ギネヴィアは、不安げにつぶやいた。二人の秘密の通信（密結合）は、ついにモードレッドの知るところとなった。

「アーサー王陛下、ランスロット卿とギネヴィア王妃の密会を目撃しました！」モードレッドは、円卓の騎士たちの前で暴露した。王国中に衝撃が走る。

ランスロットは、動揺を隠せない。「ギネヴィア…。」

アーサー王は、怒りを抑えながら言った。「ランスロット卿、貴公の裏切りは許せん！ 王国から追放する！」

let lancelotStatus = "active";
let guinevereStatus = "active";

function lancelotError() {
  lancelotStatus = "error";
  // ギネヴィアの状態も変更してしまう密結合
  guinevereStatus = "error"; 
}

function checkStatus(person) {
  if (person === "Lancelot") {
    return `ランスロット卿の状態: ${lancelotStatus}`;
  } else if (person === "Guinevere") {
    return `ギネヴィア王妃の状態: ${guinevereStatus}`;
  }
}


lancelotError();

console.log(checkStatus("Lancelot")); // ランスロット卿の状態: error
console.log(checkStatus("Guinevere")); // ギネヴィア王妃の状態: error

ランスロット卿の追放（サービス停止）は、ギネヴィア王妃（関連サービス）にも影響を及ぼし、システムに深刻なエラーが発生した。アーサー王は事態の収拾に追われる。

「ランスロット卿がいなくなった今、我々は聖杯探索を続けられるのだろうか…。」ガウェイン卿は不安を口にした。

モードレッドは、この混乱に乗じて反乱を企てる。「アーサー王は弱体化した！ 今こそ、王国を乗っ取るチャンスだ！」

ランスロット卿とギネヴィアの密結合は、システム全体の脆弱性を露呈させた。モードレッドの反乱は、システム障害のように王国全体を揺るがす。ブリテンの未来は、暗雲に包まれた。

カムランの丘のデプロイ失敗！～システム崩壊と教訓～

「モードレッド！貴様の謀反、断じて許さん！」アーサー王は、モードレッド率いる反乱軍との最終決戦の火蓋を切った。

「アーサー王、もはやこれまでだ！ 王国は我々がいただく！」モードレッドは高らかに宣言した。

カムランの丘は、両軍の激突によって炎に包まれた。ランスロットの不在は、アーサー王にとって大きな痛手だった。システムの重要な部分が、機能不停止に陥っていた。

「報告します！モードレッドの攻撃により、APIゲートウェイがダウンしました！」騎士の一人が叫んだ。

「何だと！？」アーサー王は青ざめた。APIゲートウェイのダウンは、システム全体の崩壊を意味する。各サービス間の連携が取れなくなり、制御不能に陥った。

function kingArthurAttack(target) {
  if (apiGatewayStatus === "up") {
    return `${target}に攻撃！`;
  } else {
    return "システムエラー！攻撃できません！";
  }
}

function mordredAttack(target) {
  return `${target}に攻撃！`;
}

let apiGatewayStatus = "up";

// モードレッドの攻撃によりAPIゲートウェイがダウン
apiGatewayStatus = "down";


console.log(kingArthurAttack("モードレッド")); // システムエラー！攻撃できません！
console.log(mordredAttack("アーサー王")); // アーサー王に攻撃！

「ランスロット…なぜ、こんな時に…。」ギネヴィアは、遠く離れた塔の上から戦況を見つめていた。彼女の心は、ランスロットへの想いで引き裂かれていた。

モードレッドの猛攻を受け、アーサー王は致命傷を負った。「もはやこれまでか…。」アーサー王は、エクスカリバーを湖の乙女に返還した。

「アーサー王！しっかりしてください！」騎士たちが駆け寄るが、アーサー王は薄れゆく意識の中で、アヴァロン島への船に乗り込んだ。

「システム再構築のため、アヴァロン島へ…。」アーサー王は、力なくつぶやいた。残された騎士たちは、茫然と立ち尽くすしかなかった。

こうして、ブリテンの輝かしい時代は終わりを告げた。アーサー王の敗北は、マイクロサービスアーキテクチャにおいても、単一障害点の危険性や、依存関係管理の重要性を示す、後世に残る教訓となった。ランスロットは追放されたまま、ギネヴィアは修道院でひっそりと暮らし、そしてモードレッド？ ああ、モードレッドは…まあ、よくある話だけど、昇進したらしいよ、別の会社で。